長い人生を生きる中で、自分がどんな選択をしたかでその先の歩みは微妙に違うものになる。
幸いにも、その時俺は自分で選択できる立場にいた。
ここでの選択が、後の俺の生き方にかなりの影響を与えたのは間違い無いと思う。
今日はそんな話。
プレゼン
新学期が始まる4月。
学校のど真ん中にあるホールに座り込み、大人たちが次々と発表していく。
「今年は、世界で一番美味しいパンを作り、色々な食べ物を研究していきます」
「露天風呂と滑り台、そして砂場を作る一年にします」
「まだ見ぬ自然を探検して、新しいコースを開拓します」
「ただひたすら畑を耕し、最高の野菜を作ります」
などなど。。
色々な大人たちが、みんなの前でただひたすらプレゼンをする。
俺たちはそれをただひたすら真剣に聞く。
プロジェクト
一体どういう事なのか。
きっと「???」が浮かんでるでしょ?
これは俺が小、中学生の時の話。
「きのくに」という学校に通っていた時の話なんだけど、まだ見てない人はここからどうぞ。
まず、「きのくに」は「プロジェクト」というものがミソなんだ。
例えば上で書いたように、美味しいパンを作り、料理を研究する「うまいもんを作る会」という一つのプロジェクト。
露天風呂と滑り台のプロジェクトは「工務店」。
まだ見ぬ自然を探検ってのは、そのままで「探検」。
畑を耕すのはイングリッシュにしてみて「ファーム」。
といった具合で、それぞれに特色がある。
で、ここからが面白い。
新学期が始まり、小学生全員が同じ場所に集まり、大人たちが自分の受け持つプロジェクトのプレゼンを行う。
それを聞いた俺らは、「自分にどのプロジェクトが一番刺さったか」を決める。
そして、例えば「工務店」を選択したら、1年間はそのプロジェクトに所属することになる。
ちなみにこのプロジェクトを決める時は、何年生かとか年齢は関係なく、自分が選んだ場所に行き小学生のすべての世代がごちゃ混ぜになる。
活動
中学生も同じシステムで、選択して決定する。
ただ、中学になるとプロジェクトの内容も少しグレードが上がり、よりコアになる。
まぁ、これはあくまで俺の印象だけどね。
「電子工作所」「歴史館」「動植物研究所」あまり縛られずに自由に動く「わらじ組」など。
活動内容としては、俺が小学生の時に所属してた「工務店」なら、見学の人たちがご飯を食べれるように「喫茶店」を作ろう!だとか、温泉、滑り台、身近な椅子やテーブルなんかも作ったり。
中学の時は3年間「動植物研究所」にずっといた。
ウミガメを見に行ったり、ホエールウォッチング、ムササビウォッチングに始まり、トンビやテンを飼ってみたり。
この時の記録は前にも書いてるからここから見てみてほしいんだけど、とにかくこれが面白い。
毎週火曜日の午後、そして水曜日は丸一日がこの「プロジェクト」という時間に使われる。
それ以外の時間はちゃんとお勉強もしてるから心配ご無用。笑
選択
すべての小・中学生が新学期のはじめに自分の意思でプロジェクトを決める。
他の記事にも書いてるけど、きのくにの根幹である「ミーティング」を子供たち自ら重ね、全部を自分たちで話し合い、役割分担をしながらまさに壮大なプロジェクトを形にできるように1年間動き続ける。
言わば、社会人でやるような事を小学校1年生からやっている。
さすがに1年生だけじゃできないところは6年生が助けに回ったり、皆で協力しながらゴールを目指すんだ。
そしてあの時の選択が今の俺の根幹にもなっていて、昨日のことのように思い出せる記憶も数多くある。
また、そんな記憶の一部も話そうと思ってるからお楽しみに。
life is freedom…
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